退職代行は違法?合法?2026年モームリ事件で見えた「業者選びの落とし穴」

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2026年2月、退職代行業界に激震が走りました。業界最大手「退職代行モームリ」の運営会社社長らが、弁護士法違反(非弁提携)の疑いで逮捕・起訴されたのです。

SNSでは「退職代行そのものが違法?」「利用した自分も罪に問われる?」という不安が急速に広がりました。

まず伝えたい結論があります。退職代行を利用したこと自体で、あなたが罪に問われることは一切ありません。問題は「業者が何をするか」にあります。本記事では弁護士法の観点から合法と違法の境界線を明確に解説します。

この記事の結論

① 退職意思を「伝えるだけ」→ 合法(民間業者も可)
② 退職日・有給等を「交渉する」→ 弁護士か労働組合のみ合法
③ 利用者を弁護士に「有償で紹介する」→ 非弁提携で違法(今回の事件の核心)

目次

退職代行の合法・違法を分ける「弁護士法第72条」とは

退職代行が合法か違法かを分ける最大の基準は弁護士法第72条にあります。難しそうに見えますが、核心はシンプルです。

① 弁護士法第72条の条文

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。

(出典:e-Gov法令検索 / 弁護士法 昭和24年法律第205号)

② 「非弁行為」を3行で理解する

  • 弁護士以外の者が報酬目的で法律相談・交渉・代理などの「法律事務」を行うことを禁止
  • 違反すると「2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」という重い罰則がある
  • 退職代行では、民間業者が「交渉」に踏み込むと非弁行為に該当する可能性が高い

③ 「使者」と「代理人」の違い(合否を分けるポイント)

退職代行の合法・違法の差は、「使者」か「代理人」かで決まります。

✅ 合法:使者としての取次

「本人が『本日付で退職します』と申しておりますので、退職届をお送りします」と会社へ伝える。本人がすでに決定した意思をそのまま届けるだけ。

❌ 違法(民間業者の場合):代理人としての交渉

「法律で2週間で退職できます」「有給を消化させてください」「残業代を支払ってください」と会社に反論・折衝する。これは弁護士法第72条違反(非弁行為)に該当する可能性が非常に高い。

合法と違法の境界線【行為別・運営元別 早見表】

読者が最も知りたい「どの行為が合法でどこからが違法か」を表で整理しました。

判定 行為の内容 民間 労組 弁護士
✅合法 退職の意思を会社へ伝える・退職届を郵送代行
✅合法 退職希望日(〇月〇日付)を会社に告知する
❌民間NG 「有給消化させろ」と会社に交渉する
❌民間NG 退職日の変更・調整を会社と折衝する
❌民間NG 未払い残業代の支払いを会社に求める
❌民間NG 損害賠償・パワハラ慰謝料の示談交渉
❌全員NG 弁護士に利用者を有償紹介し報酬受取(非弁提携)
⚠ 注意

民間業者が「交渉」に一歩でも踏み込めば弁護士法第72条違反になる可能性があります。「有給消化も対応します」と謳う民間業者には注意が必要です。

運営元別:法的位置づけと業務範囲の整理

退職代行の安全性は運営元によって決まります。3種類の違いを正確に把握してください。

法的根拠できること注意点
民間根拠なし(弁護士法72条の例外なし)退職意思の伝達のみ。交渉は一切不可「弁護士監修」と表記しても交渉権は生じない
労組憲法28条・労働組合法6条(団体交渉権)退職交渉・有給消化・退職日調整が可能裁判対応・損害賠償請求は弁護士の領域
弁護士弁護士法(すべての法律事務が可能)交渉・未払い金請求・裁判対応まで全対応費用は高め(5〜10万円程度)が多い
⚠ 「弁護士監修」に注意

「弁護士監修」≠「交渉権あり」。監修はマニュアルや書類の確認に過ぎず、民間業者自身に交渉権が生まれるわけではありません。今回のモームリ事件の本質はこの点にあります。

2026年「モームリ」事件の教訓:「安心」の裏側に潜む構造リスク

① 事件の概要

2026年2月3日、退職代行「モームリ」を運営する株式会社アルバトロスの社長らが、弁護士法違反(非弁提携)の疑いで逮捕されました(報道各社より)。

同年3月4日、東京地検が弁護士法違反罪で起訴。提携先の弁護士法人代表弁護士らも同法違反罪で在宅起訴されています。なお2026年4月現在、裁判は継続中であり最終的な判断が待たれます。

② 容疑の核心:「有償紹介(非弁提携)」という構造

今回の事件で問題視されているのは、民間業者が法律事務を特定の弁護士に有償で紹介していたという点です。

報道によると2023〜2025年にかけて計174人の利用者を特定弁護士に紹介し報酬を受け取っていたとされています。これは弁護士法が厳格に禁じる「非弁提携(周旋)」に該当する疑いがあります。

⚠ ポイント

「弁護士監修」「労働組合提携」という表示があっても、裏側で不適切な金銭のやり取りが行われていれば違法になります。表示だけで業者の安全性を判断することには限界があります。

③ 読者が学ぶべき3つの教訓

  • 「弁護士監修」は交渉権を意味しない:監修はマニュアルチェックに過ぎず、民間業者が交渉すれば違法・弁護士へ有償紹介しても違法という二重リスクがあった
  • 「労働組合提携」の看板だけでは不十分:表面上の提携より「実際に誰が会社と交渉するか」「運営実態が透明か」を確認することが重要
  • 利用者が被る実害リスク:業者が摘発された場合、支払った費用が無駄になる・退職手続きが止まる・自分で弁護士を探し直す手間が発生するリスクがある

合法な退職代行を見分ける5つのチェックポイント

利用前に以下の5点を確認してください。すべてクリアできる業者を選ぶことがトラブル防止の最大の対策です。

チェックポイント 確認すべき内容
① 運営元の確認(最重要) 公式サイトの「特定商取引法に基づく表記」で弁護士法人か、認証済み労働組合かを確認する
② 法的根拠の確認 「団体交渉権あり(憲法28条)」や「弁護士が直接対応」という根拠が明示されているか確認
③ 監修表記だけで交渉を謳っていないか 「監修」は書類チェックに過ぎない。民間業者が交渉を約束していれば弁護士法違反リスクあり
④ 料金体系・返金保証が具体的か 退職できなかった場合の返金条件・追加費用の有無を契約前に必ず確認する
⑤ 法人名・代表者名・所在地が明記されているか 運営実態の透明性の最低条件。これらが公式サイトにない業者は避ける

よくある質問(FAQ)

退職代行を使って辞めると利用者が違法になる?

なりません。民法第627条により退職の意思表示は労働者の正当な権利です。依頼した業者が弁護士法違反を行っていたとしても罰せられるのは業者側であり、利用者が問われるリスクはありません。

「弁護士監修」の退職代行は合法?

監修だけでは業者に交渉権は生じません。「弁護士監修」は多くの場合マニュアルの確認程度の意味です。監修を掲げる民間業者が有給消化や退職日を会社と交渉すれば弁護士法第72条違反になる可能性があります。今回のモームリ事件はこの誤解が引き起こした問題の典型例です。

労働組合の退職代行は合法?

はい、合法です。労働組合は日本国憲法第28条・労働組合法第6条に基づく「団体交渉権」を持ちます。退職日の調整・有給消化の交渉を適法に行えます。ただし裁判対応・損害賠償の示談交渉は弁護士の領域です。

モームリ事件の後、退職代行を使っても大丈夫?

弁護士法人か正当な労働組合が運営元であれば問題ありません。東京商工リサーチの調査(2026年4月)では約3割の企業が「弁護士・労働組合以外の業者からの連絡には取り合わない」と回答しています。確実に退職したいなら運営元の確認が必須です。

まとめ:利用者は違法にならない。大切なのは運営元の確認

利用者が退職代行を使うこと自体は違法ではありません。民法第627条で保障された正当な権利です。

問題は業者側の行為にあります。「伝えるだけ」の使者なら合法、「交渉する」代理人なら弁護士か労働組合のみ合法、「有償で弁護士に紹介する」非弁提携は違法です。

後悔しない選択のための2ステップ

  • 公式サイトで運営元が弁護士法人か認証済み労働組合かを確認する
  • 有給消化・退職日調整など交渉が必要なら必ず労働組合か弁護士法人を選ぶ

まずは無料相談で、自分のケースがどの運営元に適しているか確認してみてください。

※無料相談だけでも利用できます。

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